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【坐禅作法132】あとがき

かなりキワどい坐禅作法 あとがき

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〜まだ見ぬルネサンスの騎士たちへ〜


事実は小説よりも奇なり

これまで何冊もの本を読んできたけれど、矢沢永吉激論集『成りあがり』ほど面白いと思った本はない。 その巻末に、本を編集した糸井重里(いといしげさと)のあとがきが付されていて、その文章は今だに読み返すことがある。

― 幸運にも、両親が健在で、経済的にも豊かで、学校に通っているあなただって、やっぱり選ぶなら、「成りあがり」にしてほしい。 もうひとつは、「ぶらさがり」しかないと思うからだ。
 数多くの読者をつくること以上に、矢沢永吉や、ぼくらが期待しているのは、そのことなのである。 お金がなかったら、まわし読みしなよ。 いいと思ったら、あらためて買えばいい。
 そんな本だ。
 ―
(糸井重里『「長い旅」を聴きながら』―『成りあがり』の「あとがき」より)

名文だ。 19歳の僕はこの糸井重里のあとがきに激しく心を揺さぶられた。 矢沢永吉と糸井重里がこの本で起こそうとした革命の渦に僕も巻き込まれてしまった。 これは本当にいい本だと思った。 だから僕は『成りあがり』を何冊も買って配って歩いた。 結局、僕から本を受け取った誰ひとりとして「成りあがり」を選ばず、「ぶらさがり」を選んでいった。 でも僕のルネサンスはそこから始まったような気がする。

<< ねえ君、僕と一緒に「成りあがり」を選んでみないか? >>

あのとき、そんな風に生きはじめたから、今の僕があるのだとおもう。 かつての僕のように、ルネサンスの騎士としての一歩を踏み出す誰かが生まれる「あとがき」になればいいと思いながら、いま、これを書いている。

この『坐禅作法』シリーズにあるメッセージは、誰の手も届きそうにない天空の高みからではなく、地べたに足をつけたところから発せられている。 それは人生の実体験から生まれたナマの言葉であり、誰もが手にとって触れることのできるものだ。 たしかに、そこから鮮やかな生きた風景を読み取るには、やはりみずから実践して追体験してみるしかないだろう。 また僕自身が、迷い、立ち止まり、訳もわからず混乱している様子をそのまま書いているから、もしかすると誤解を与えてしまうかもしれない。 でも、こうした実体験から生まれた自伝的作品は、決して教条的になることはないからこそ、耳を傾けずにはいられない熱いうねりを生み出せるものと信じたい。 多少奇態な言い方になるかもしれないけれど、これが僕の書きたい小説だった。

― 事実は小説よりも奇なり ―

創造主こそが超一流の小説家だ。 ゆえに最後に行き着くところの究極の小説は自伝以外にありえない。 それは人知れず涙を流しながらの、ときには怒りをぶつけて震えながらの、魂―アニムス―の歌だ。 もしも気付け薬を一服するような軽い読み物のつもりで読むなら、家の便器でも磨いてトイレの神様に祈っていたほうがいいだろう。 でも、ここにあるのが本当の祈り方だとおもう。

僕の属している団塊ジュニア世代は、ある使命を持って生まれてきた。 それは「精神世界の新大陸を発見して帰ってくるように」という命令だった。 そして僕は「愛」という名の新大陸を見つけて、ここに帰ってきた。 この『坐禅作法』シリーズはその航路を記した海図である。 途中、かなり大きく迷って進路を外れてる。 だから完璧な海図は描けなかった。 とはいえこれは快挙なのではないだろうか。 なにしろ人類は「愛」という名の新大陸が本当に存在することを知ったのだ。 僕に続く新しい世代がもっと正確な航路を開拓してくれることを期待している。

現代に生きる俺たちに
星は進路を指してくれる
夜の海 誰かが高く
燈火を 生命をともしてる
悲しげに 高く

(甲斐よしひろ『翼あるもの』(1978)より)

この航海の途中は星だけが道しるべだった。 普通は人生のピークを迎えてキラキラしている人たちを星(スター)と呼ぶのかもしれない。 でも僕の考える星はちょっと違う。 進路を指してくれる地上の星たちだ。 僕はこの『坐禅作法』シリーズに、そんな星たちをいくつも紹介してきた。 その誰ひとり欠けても道しるべとなる天球図は完成しなかった。 みんなかけがえのない星たちだ。 そんな星のひとつになれたら素敵なことだとおもう。

僕の一番のお気に入りの星は、ちょっと意外かもしれないけれど、故郷の北海道が生んだスーパースターKANさんだ。 僕はKANさんが『愛は勝つ』で全国に出て行ったときのことをよく覚えてる。 KANさんの出身は福岡なんだけど、札幌で深夜ラジオのパーソナリティーをやっていて、僕は葉書を一切投書しないくせに、一応そのリスナーのつもりだった。 あるとき『愛は勝つ』で全国的に火がついて、テレビ放送で歌っている姿を見たとき、正直なところ「この人、何やってんだ?」と思った。 根がシャイな人なので、眼なんかキョロキョロしちゃって、ぜんぜん自信がなさそうなのである。 その人が「必ず最後に愛は勝つ〜♪」なんて歌ってるわけだから、説得力がまるでない。 何か勘違いして陳腐な応援歌でも作っちまったのかと思った。

今だから分かるのだけれど、『愛は勝つ』にはこの国の未来がかかっていた。 僕たち団塊ジュニアが使命を果たすための応援歌。 それがどうしてKANさんじゃなくちゃいけなかったのか分からないけれど、とにかくKANさんがその役割を授かったのだ。 KANさんは歌だってあまり上手なシンガーソングライターじゃない。 でも彼の弾いたピアノのリフは、それまで聴いたどんなピアノの旋律よりも、誠実で美しくて真っ直ぐだった。 その旋律がこの歌の真実を物語っていた。 KANさんは歌った。 恥ずかしがりながらも、すこし照れながらも、全国に「必ず最後に愛は勝つ」というメッセージを届けた。

天命というのはそうやって果たすものなのだとおもう。 そういう誠実で真っ直ぐな姿が民族の絆を結ぶのだ。 KANさんに白羽の矢が立ったのは、その誠実で真っ直ぐなキャラクターのせいだったのかもしれない。 だから僕はKANさんの『愛は勝つ』をバカにするやつがいたら、言ってやるんだ。 「この歌のカッコよさがわかんないやつは日本人やめろ」ってね。

心配ないからね 君の勇気が
誰かにとどく明日はきっとある
どんなに困難でくじけそうでも
信じることさ 必ず最後に愛は勝つ

(KAN『愛は勝つ』(1990)より)

それは本当だった。 僕は1990年からずっとこの一節を胸の中で唄い続けてきたのだ。 だから、とにかく信じることさ、必ず最後に愛は勝つと。

(2018.6)

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