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【坐禅作法62】35歳の君へ

ちょっとはマシな坐禅作法 35歳の君へ〜アカデメイアからの手紙4〜

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〜アカデメイアからの手紙4〜


35歳になった布施仁悟くんへ

二コンパスです。当学園は気に入ってくれたかな?

ボクのいる研究室はいつだって扉を開け放しているのに、
君ときたら一度だって訪ねてきてくれたことがない。

本来なら口頭で伝えることなんだろうけど、
君には手紙という媒体が最適なのだろう。
だから今回も手紙を書くことにしたよ。

しかし、この二年間の君の迷走ぶりはボクたち職員の間でも、
ときおり物笑いの種になったものだ。

ありきたりなネット通販事業を起こそうとしたり、
喫茶店をやろうとしてコーヒーの淹れ方やカレーのレシピ研究に
没頭していた頃は気が狂ったのかと思ったよ。

しかし、それも真剣であればこその迷走で仕方のないことだと思う。
自分の宿命に気づかないうちは何をどう信じたらいいのかわからない。
結局、素質だけではどう生きるべきか迷ってしまうものだからね。

でも、独創の可能性に気づいた今ならわかっているんだろう?

自分を信じるとは、自分の宿命を信じて、
人生の出来事を起こるがままに受け入れる覚悟に等しいと。

人間は運命からこんなテーゼを突きつけられている。

「常識を捨てて哲学に生きることで未来を拓け」

そんな生き方を実践するなんてのは現実世界では狂気の沙汰だ。
でも、君はそれをやってのけた。つまり、君の中に芽生えた独創性は、
宿命をまっとうする覚悟を決めた証しと言っていい。

おめでとう。

君は35歳の選抜試験に合格したんだ。
それは才能を宿すことに成功したことを意味していて、
プラトンの『饗宴』の表現を借りれば“懐妊”したということになる。

何を?“創造美の子供を”とでもいおうか。
もちろん油断は禁物だ。流産しないように気をつけてくれ。

矢印マーク 饗宴 (岩波文庫)

『国家』と比べたら面白くないし、重要でもない。


プラトンの『国家』において、35歳から50歳までは、
選抜者に対して個性に適した実務をOJT(On The Job Training)として
課す時期に位置づけている。

30歳から現在までの5年間のように哲学的探求に沈潜するばかりでは、
本当の役立たずになってしまうからね。

君はこれから実際上の経験を通じて、人々に模範示すべく、
天職をまっとうするための素地を作らなければならない。おそらく、
君がこれまで予想だにしなかったことを始めることになるだろう。

その期間はプラトンの指摘していたように十五年間と決まっている。
長いと思うかい?でも、安心したまえ。

君が今と同様に意味も確信も失ったままクスブリを続けるのは、
この学園を卒業する39歳まで。そこで君の真理の探求は一段落して、
卒業後の孤独の中で才能を磨けば41歳で開眼する手はずになっている。
そうして42歳から世に出てゆく君は50歳頃から“脂が乗ってくる”だろう。

もちろん「道を踏み外さなければ…」という条件はつくけどね。

そのことには君も気づき始めているはずだ。
作家の遠藤周作は41歳頃に『沈黙』を著して才能を開花させたけれど、
その彼が晩年に残していた言葉を読んだことがあるだろう。

晩年になって、まずしいながら、 私だけの作風をやっとつかむことができたのは五〇歳になってからだ。


結局、プラトンの生きていた昔から“大器は晩成”と決まっているんだよ。
その大器になるための試練に君は十五年間挑み続けなければならない。

矢印マーク 沈黙 (新潮文庫)


遠藤周作はカトリックの教義の犠牲になって、
勘違いしたまま生涯を終えた哲学的作家。
ゆえにその辺の作家よりはマシという作品が多い。

ただし、この作品だけは別格。
真理を突いていて、かつ、どこにも破綻がない。
41歳の開眼期にはこういう実力以上の奇跡が起こる。


課題は二つ。

「創造性の追究」と「謙虚さの育成」

それしかない。しかも、この二つは相互補完の関係にある。
すなわち創造性を追究するほどに謙虚になり、その逆もまた然り。
両者はメビウスの輪のようにつながり合っているんだ。

君はすでに創造性を追究する旅路についたようだから、
ここで少し助言をしておこうとおもう。

ひとまず今、君の手にしている武器は常識が逆立ちしていること。
つまりパラドックスが常に正しいと経験的に知っていることだ。

そのパラレルワールドの法則を現実世界にだけ生きている人々に、
いかにして伝えるか。それを追究していくことが創造性の発現につながる。

ただし、君の才能は目覚め始めたばかりだから、もしも、
技術を身につけなければならないなら技術的訓練をするべきだし、
才能ある人たちの事例研究をしてみると有意義な結果をもたらすだろう。

とりあえず、37歳で試作品(プロトタイプ)を完成させることを、
ひとつの目標にしてみるといい。もちろん、
はじめからうまくいく道理もないから、そこで壁にぶつかるに違いない。

それは自分の能力の限界でもあり、世間の誤解という無知の壁でもある。
だからといって当初の目的を見失ってはいけない。才能を開花させるのは、
君のつかんだ普遍の真理を現実世界の人々に伝えようとする情熱なんだ。

「大衆に迎合することなく、大衆に受け入れられる業績を残す」

この矛盾する命題を満たすために必要とされる才能は、
37歳の壁を乗り越えようとする努力の中でしか育たないだろう。

それから、もう一つ。

才能が目覚め始めたことは、あまり公言してはいけないよ。
普通の人は35歳の選抜試験の存在にすら気づけないものなんだ。

まったく、あわれな連中だよ。

現実世界の教育機関では人生にもっとも必要な哲学の基本すら学べない。
プラトンの『国家』くらい教科書で読ませてやればいいのにね。

(2014.1)

矢印マーク 『国家〈下〉 (岩波文庫 青 601-8) 』

人類最初のSF小説にして哲学の真髄。
下巻の第6〜第7巻は必読に価する。

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