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【坐禅作法49】白隠禅師・軟酥の真実

ちょっとはマシな坐禅作法 白隠禅師・軟酥の真実〜結跏趺坐へのストレッチ 2〜

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〜結跏趺坐へのストレッチ 2〜


白隠禅師・軟酥の法

さてさて、望景内はいわゆる普通のストレッチなのだけれど、実質的には、
白隠禅師が『遠羅天釜(おらてがま)』で紹介した軟酥(なんそ)の法である。

ついでに言うとヨーガのアーサナも気功の導引法も、つまりは軟酥。
それゆえ、まずは軟酥の法について解説しておこうとおもう。

とりあえず白隠禅師の『遠羅天釜』を読んでみることにしよう。

矢印マーク 『白隠禅師―健康法と逸話』


坐禅と気の関係を明かした本。
内観の秘法と軟酥の法は坐禅の基本。
白隠禅師の『夜船閑話』と『遠羅天釜』で
ちょっとはマシな坐禅をしよう。


軟酥というのは鴨(かも)の卵くらいの大きさの軟らかい薬のことで、
ちょいとばかり面倒な処方によりつくられる秘効のある丸薬である。
なんでも、そいつを頭上にのせるだけであらゆる病気を癒せるそうだ。

さいわい初心のものは軟酥の丸薬の材料や目方を思いはかる必要はない。
軟酥の法を修するにあたって坐りながら呪文を三回唱えればよいそうである。

『軟酥の呪文』

おおよそ生を保(たも)つの要(よう)、気を養ふにしかず。
気尽くるときは身(み)死す。
民(たみ)衰(おとろ)ふる時は国亡(ほろ)ぶるが如し。


(白隠禅師『遠羅天釜』)


それから一心にゆったりとつぎのような観想をおこなうのである。

『軟酥の観想法』

自然に空中へ出現した軟酥が頭上にのせられ体温でとけはじめる。
すると妙なる香味を含んだトロリとした液体が体表を流れ出し、
いつのまにやら五臓六腑までもタラタラとうるおいひたしてゆく。
両脚をチョロチョロと流れくだって足裏でようやく止まる頃。
秘薬はそこに渦となってたまってゆく。


(白隠禅師『遠羅天釜』意訳:布施仁悟)


ただしこの法を生かすも殺すも行ずる者の真剣味にかかっているそうだ。

『軟酥の効験』

効験の遅速は行人の勤むると怠るとに在るらくのみ。
怠らざれば長寿を得。


(白隠禅師『遠羅天釜』)


以上が白隠禅師の『軟酥の法』の概要なのだけれど、
たぶんほとんどの人は真剣に実践しても効果を実感できないはずである。

ただし逆にそれだからこそ、その意図しているものは何かということに
関心の鉾先(ほこさき)を転ずるべきであろう。
なぜなら、ものごとの本質をつかもうとするときボクらは一皮剥けるからだ。

そこで軟酥の法に込められた白隠禅師の意図を探ってゆくのだけれど、
その前にストレッチの定義について確認しておきたい。

赤雲水

ストレッチと体軸

黒雲水

ストレッチとは一般的には柔軟体操なわけである。

もしも凡人として一生を終えたいならばその程度の認識で、もちろん結構。
望景内を今から実践するなら間違いなく健康になれるし、さらに、
3歳位から始めるとしたら秀才程度の才能までも開花してしまうだろう。

一方、ボクたち禅者の目指す境地はそれを遙に越えること九千三百万マイル。
秀才と禅者の間には惑星・地球と恒星・太陽ほどの隔たりがある。

これは望景内の元ネタの一つ『真向法』の本にあった記述。

筋肉が薄弱で体質的に“蒲柳(ほりゅう)の質”といわれる人がいます。 このような人は、真向法も不得手と思われがちですが、初めから難なくできる人が多いものです。 低血圧で疲れやすいという人もそうです。 このような方は、実際、柔らかい筋肉を持っているのですが、筋肉の質が弱いのです。 失礼ですが、ゴムでいえば伸びきったゴムです。

(『決定版 真向法』P.60「第2章 真向法体操とは」)


一般に柔軟体操と言われてはいても、本来目指すべきは“柔”で表すしなやかさ。
芯の通っていない軟弱なだけの“軟”であってはいけないのである。

以下は同じく真向法の本から。

しかし、このような体質の方も、真向法体操を続けていれば、強い筋肉を獲得できます。 つまり、続けているうちに筋肉が硬くなってきます。 そして、そのうえで柔らかくなってくるのです。 つまり、筋肉が、薄弱‐硬直‐柔軟と三段階に改善されていくわけです。

(『決定版 真向法』P.60「第2章 真向法体操とは」)


つまり、ストレッチの各ポーズは単に身体が軟らかいだけではいけない。
その形が決まっているかではなく“やわらかさの質”を問われているからだ。

だから禅者諸君には柔らかくしなやかな肉体を手に入れてもらいたいのだけれど、
オツムの調子次第では手ごたえのない軟らかな身体で終わってしまうこともある。

この事実はヨーガのアーサナの修練にも当てはまるようだ。

わたしの31年の指導経験からすると、身体の柔軟な人よりは、むしろ固い人の方がハタ・ヨーガに向いているといえる。 それは、身体が柔軟な人は、いろいろなアーサナが簡単にできてしまうので、 「ハタ・ヨーガなんて簡単なものだ」と考えてしまい、 しかも少し続けたくらいでは表面的な変化はないのでやめる場合が多い。
それに反して身体の固い人は、 「ハタ・ヨーガはむずかしい」と考え、しばらく続けるうちに、 驚くほど身体が柔軟になっていくのを体験できるので、 おもしろくなり更に続けることになり、気が付いたら何十年も続いていた、ということになる。

(成瀬雅春『ハタ・ヨーガ完全版』P.29「入門編第2章 準備運動」)


実は、この“柔”と“軟”の違いは体軸の性質によるもので、これは以前、
“不動の体軸”と“普通の体軸”として区別したものに対応している。

このうち“軟”性の肉体は主に生来の素質によるものだとボクは思う。
それは体軸を持つけれど芯の形成を欠いた“普通の体軸”でしかない状態。
ただし凡人には“普通の体軸”すらないので、これは“秀才の体軸”とも言える。

こうした“軟”性の素質を維持しただけで不動の体軸を育めなかった場合は、
もちろん凡人に比べれば優れたパフォーマンスをみせるものの、
38歳以降はゆっくりと着実に転落してゆく人生を歩むようにみえる。
38歳は“運命のクロスポイント”。39歳以降は今生の努力の結果を受け取るからだ。

だから人間は生後の修行によって“柔”性の肉体を手に入れなければならない。
それは“生涯衰えない”武道における“呼吸力”に通じるものでもある。

呼吸力の特徴は、いくつになっても使えるところにあります。 筋力はいくら鍛えても自然に衰えてきますが、呼吸力はそんなことはありません。 正しい修練を積み重ねているかぎり、年齢には関係なく、いくらでも発揮することができます。

(塩田剛三『合気道修行―対すれば相和す』P.100「第2章 呼吸力」)

力に依存する空手は短期間で鍛えられますが、短期間しか維持できないのも現実です。

(宇城憲治『武術空手の極意・型』-P.208「【検杆撞枸蓮)

呼吸を根源とした稽古は年を重ねるほど強化されていきます。ここに武術としての大きな特徴があります。

(宇城憲治『武術空手の極意・型』-P.209「【検杆撞枸蓮)


これは老子が『大器は晩成』とかつて看破してみせた根拠でもあると思う。
すなわち、どんな秀才も38まで。そこから先は生後の修行が大器を育む。

そして、“柔”性の肉体を手に入れ大器になる行法こそが軟酥の法なのだ。
ひいては望景内は不動の体軸を獲得し天才になるための行法なのである。

しかし、ここまで自信たっぷりに書いてみるとちょっと不安になってくる。
ボクは“大風呂敷を広げる”というありがちな墓穴を掘っているのかもしれない。
とはいえ、聖書にある聖句に比べたら、まだまだ他愛ないのではなかろうか。

心に疑うことなく、言ったとおりになるとただ信じながら、
「動いて海へゆけ!」と山に向かって命じてみよ。
さすれば、畢竟、誰でもそのとおりになるだろう。
(マルコ11-23)

大風呂敷というより、ほとんどギャグ漫画の世界である。

矢印マーク 『決定版 真向法―3分間4つの体操で生涯健康』


真向法はストレッチの王道です。
4つまるごと望景内の構成要素。
筋トレの要素をそぎ落とし、
衝脈をダイレクトに刺激する。

矢印マーク 『ハタ・ヨーガ完全版』


P.36-37の入門編「腕の運動機Ν供Ν掘
P.78のひねり系統7「ジャタラパリヴァルタナ」
P.103の前屈系統20「ハヌマーン」
これらは日々のストレッチに是非とも取り入れたい。
簡潔に書かれた解説はストレッチのコツの宝庫だ。
やっぱヨーガでしょ。

矢印マーク 『合気道修行―対すれば相和す 』


不世出の名人と呼ばれた合気道の達人・塩田剛三。
その技の奥義をサラりと書き記してある貴重な本である。
合気道修行は型稽古だけで試合はない。
型稽古だけでナゼ強くなれるのか?
その秘密は気にある。
読む人が読めば塩田剛三が気の達人であったことがわかるだろう。
これはまこと奥義書と呼ぶにふさわしい一冊。

矢印マーク 『武術空手の極意・型』


武道の型稽古の重要性を知るならこの本に限る。
宇城師範の強さの秘密を知ることは
武道の奥義へ至る道を知ることなのである。

軟酥の真実

さて、くだんの軟酥は記事内にチラホラ登場してきた“結節”に関連を持つ。
とりわけボクが第三の結節と呼んでいるものと密接に係わるものである。
というのも軟酥の法は第三の結節解放後に生じる現象に関連したものだからだ。

第三の結節の解ける頃にはサハスララ形成の兆しを感じられるのだけれど、
そこから流入する気の流れが結節周辺で堰き止められるから頭痛に悩まされる。
ところが第三の結節を解くと頭頂から足に向かって全身の経絡を流れ始めるのだ。

つまり、第三の結節を解いてはじめて全身の経絡に気を流せるようになるわけで、
そう、軟酥の法の“軟酥”とは頭頂のサハスララから流れ入る気のことなんだな。

中心点(サハスララ)

この中心点を形成することが当初の目標。
松果体はアジナチャクラの正体と言われる。
この中心点形成後の第三の結節の解放で、 イダ・ピンガラ・スシュムナの結び目を解かなければならない。
この過程を無視するのは極めて危険だ。

図・布施仁悟(著作権フリー)


この第三の結節解放の当初は筋肉の硬直を強く感じることになる。
経絡(気道)は不随意筋の硬直に阻まれて固く閉じられたようになっているからだ。
ところが気道に気を流せるようになると不随意筋の硬直もゆるんでくるため、
次第に肉体は変性し“柔”性になって、不動の体軸を形成してゆくのである。

このことから「筋肉が薄弱-硬直-柔軟と三段階に改善される」としてある
『真向法』の記述の意味も明らかとなるだろう。多少の修正を許してもらえるなら、
「軟弱→硬直→剛柔」としたほうがより適切だと思う。

ちなみに気が上から下に向かって流れる理由については、こんな解説がある。

督脈は、ちょうど脊柱の中央を走り、会陰(ムーラダーラにあたる)から頭頂に至り、さらに口唇に至る経絡です。 この督脈では、エネルギー(気)は流れないで、貯えられています。気のエネルギーの湖といってもよいでしょう。

(本山博『密教ヨーガ』-P.141「汽Ε僖縫轡礇奪箸砲澆蕕譴襯船礇ラ、ナディ」)

もし、ある臓器や組織に、異常や病気が生じて、多量の気のエネルギーが必要とされるときには、 督脈に貯えられたエネルギーが、その経絡に放出されます。 そのときのエネルギーは、上から下に向かって走るのがふつうですが、 スシュムナ・ナディ内のエネルギーも、ふつうは上から下に向かって流れるのです。 この点でも、スシュムナと督脈の間に一致がみられます。

(本山博『密教ヨーガ』-P.141「汽Ε僖縫轡礇奪箸砲澆蕕譴襯船礇ラ、ナディ」)


すなわち、これから紹介しようとしている望景内とは、
第三の結節解放以降における修行体系なのだった。

それ以前の段階にある禅者には、おそらくまだ早いので、
チベット体操や真向法を粛々と行じて時節の到来を待て!

それでは望景内の解説に移るとしようか。

(2011.12・改訂2014.8)

矢印マーク 『 密教ヨーガ―タントラヨーガの本質と秘法』


本山博先生の著作は大いに参考になる。
ただし、凡人にとっては『正法眼蔵』のように
超然とした部分もあることは確か。

矢印マーク 『チャクラの覚醒と解脱』


『密教ヨーガ』の解説本。
お値段ちょっと高めですけど…
どうせならセットでどうぞ。

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