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一夜干しを科学する

たしなみ倶楽部 一夜干しを科学する。一夜干しの作り方。

たしなみ倶楽部

干物は実におもしろい!


これは文句なしにウマい!

自家製ニシンの一夜干しを作りましょう。
トピックスイメージ

「鰊(ニシン)は干物が一番ウマい!」

今回は「自家製ニシンの一夜干し」の作り方を紹介したいのだけれど、
これは文句なしにウマい!

たとえば、この記事をご覧のご婦人が、朝の食卓に出そうものなら、
「いつの間に料理の腕をあげたんだ?」と亭主に褒めちぎられること限りなし!

かどうかの一半(いっぱん)は、作り手の腕と亭主の人格にも負(お)っている。
必ずしも私の責任ではないことを予(あらかじ)め断っておこう。


干物を旨くする秘鍵

干物はなぜ旨いのか?

さて、まず「干物はなぜ旨いのか?」という薀蓄(うんちく)から入ってみたい。
その知識は干物を楽しむ過程で重要な注意点を示すことになるからだ。

干物が旨いのは、水分を抜くことによって“うまみ”を凝縮するからである。
細胞間にある水分を浸透圧を利用して吸い出せば、同時に生臭みも抜ける。
だから ただ干すわけではなく、塩水に浸けたり、塩を振る工程があるのだ。

ただ、誰だって秋刀魚や鯖(さば)に塩を振って焼く。
ここまでなら単なる塩焼きと同じなのだ。
したがって、干物を旨くする秘鍵(ひけん)は、この先にあるとわかる。
すなわち、文字通り「干」すことにあるのだ。

実は、塩水に浸ける最初の工程で、
筋肉組織の繊維が壊れると同時に、たんぱく質に変化を生じている。
このたんぱく質が、「干」すという次の工程で再び繊維を絡めあわせ結びつけるのだ。
すると弾力ある肉質に変化するため、食すにあたって よく噛むことを余儀なくされる。
よく噛むことで一層うまみを感じられるのも消化酵素という たんぱく質の働きである。
刺身だと淡白な味の魚も たんぱく質のおかげで濃厚な味の魚に変化するわけだ。

また、干物の表面を見ると、全体にツヤツヤした透明感を持つ膜がある。
その薄い膜は筋原繊維の変質したもので、水分と旨みを封じ込める役割を果たす。

干物の身がジューシーな理由の一端(いったん)は、この膜にある。
この膜が身のパサパサになるのを防ぐおかげで、よい按配に焼きあがるのだ。

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「一夜干し」の意味

完成した干物は朝食で
トピックスイメージ

ところで、「一夜干し」とは どういう意味だろうか?
そのまま読み取れば、「一夜のうちに干しあげる」という意味になりそうだけれど、
ここで問題としたいのは その真意である。
たぶん、一夜のうちに干しあげることに何か理由があるはずなのだ。

干物のほどよい干し加減は、実は、天日干しでは得られない。
強い日光に当てると、表面の乾燥が早いばかりに水分の抜けが不十分になる。
そこで直射日光よりも日陰で風干しにする方がよいと言われている。

また、有名な「灰干し」は低温乾燥室で2℃を維持しながら干しあげるそうだ。
つまり、低温で乾燥させることにより、魚の鮮度を保つのである。

では、ひるがえって「一夜干し」の真意を考えると こう推察できないだろうか?

低温乾燥と風干しを実現するため 日光のない夜に干しあげる

以上を考え詰めると、雨の降る日に干物作りを避ける理由も自然に理解できよう。

さらに、出来上がった干物を食べる時間も重要になる。
魚の脂は酸化しやすく、空気に触れる時間が長いほど「脂焼け」もひどくなるからだ。
脂焼けを起こして褐色に変化した干物は、匂いも味もわるい。
そこで、完成した干物は朝食で味わうが一番。遅くとも昼までには食べてしまいたい。


自家製干物の作り方

あぁ、週末が待ち遠しい。

それでは、お待ちかね。わが家の「ニシンの一夜干し」の作り方を紹介しよう。
【下処理】

腹骨断ち 塩水浸し
1.鰊の頭を落とし内臓をとり出して洗う。
2.腹骨を断つように中骨に沿って包丁を入れて身を開き、流水でよく洗う。
3.3パーセントの塩水(水1リットルに対して塩30g)に1時間浸す。
水とり 風干し
4.ペーパータオルで水分をふき取る。
5.陽のあたらない風通しのよい場所で一夜のうちに干しあげる。

【調理】
まず皮目を上 焼きあがり
1.グリル(水なし片面)を3分余熱する。
2.皮目を上にして焼きはじめ3分。返して2〜3分焼く。
茶漬け
お茶漬けにしてもウマい。

【調理】
1.茶碗に白飯を盛る。
2.焼いた一夜干しの身をのせる。
3.海苔や薬味や白ゴマをふる。
4.昆布茶をかけて召し上がれ。

参考文献:日東書院『自家製干物の作り方』(編:倶楽部ひょっとこ)
矢印マーク 『自家製干物の作り方―おいしい!簡単!誰にでもすぐできる!』
干物は実におもしろい!まるで科学実験のようだ。
鰯・鮎・鯖・烏賊(いか)など身近な魚で科学する。
あぁ、週末が待ち遠しい。

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