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【第十一話】40歳の奥の細道

閑雲野鶴 40歳の奥の細道

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八方塞がりを読み解く


東北旅行で芭蕉をきどる

東北旅行に行ってきた。

松尾芭蕉の『奥の細道』の文章がいいので暗誦するつもりで本を買ったら、その数日後に「東北のツアー旅行に行こう」と両親が言い出した。 そこで、是れ幸い、と乗っかることにしたのが事の始まりである。

成り行きまかせの出たとこ勝負でテキトーに生きていると、どういうわけか知らないけれど、ものごとが都合よくまわっていく。 計画通りに行かないのが人生なら最初から計画を立てないのがいい。

『奥の細道』は紀行文なので現地を体験していたほうが味わい深い。 やはり写真や映像だけでは味わいきれないものがあるのは、実践して内的体験を経なければ理解の及ばぬ経典に通じるものがある。

中尊寺金色堂

中尊寺金色堂は、経堂と併せて、
豪華絢爛な二大堂である。
経堂を素通りしてはいけません。

図:布施仁悟(著作権フリー)


五月雨の 降り残してや 光堂

と詠まれた中尊寺金色堂を見学するときなどは、雨の降った直後であれば、なお好かった、ような気もするけれど、禅者のボクは日頃のおこないが良いので、雨雲を避けての行程となった。

カメラを置いてクロッキーブックを持って行ったボクは、雨に降られるとスケッチするのも気が滅入る。 愛用している黒鉛芯のクロッキーペン6Bの難点は雨に弱いことなのだ。

矢印マーク パイロット 製図用ペン クロッキー HA-CR4-6B 6B

とても描きやすくて気に入っている。
お値段が安いのもいい。


とはいえ、ボクには画家としての才能はないらしいので、ツアーバスの車中で時間をかけて絵を描いた方が見映えが良い。

龍泉洞地サイダー

甘すぎずスッキリした後味のサイダー。
ぬるくなっても美味しい。
2〜3本買っておけば良かった。

図:布施仁悟(著作権フリー)


これは岩手にあるホテルの売店で買って飲んだサイダー瓶の絵だけれど、非常に美味しくて気に入った。

そこで「またどこかで買おう!」と意気込んでいたのに、結局、その後の行程で二度とお目にかかれなかった。 こういう<<きっと、ここでしか買えない…>>という心理が、おみやげに財布のヒモがゆるむ動機の一部を支えているのだろう。

ボクなんかはご当地キーホルダーを何個も衝動買いしてしまう。

山寺 立石寺

修行場はやはり萌える。ただし…

「人生そのものが師、運命の課題が修行」

そう教えてやりたい気もする。 なので、ちょっと複雑。

図:布施仁悟(著作権フリー)


閑さや 岩にしみ入る 蝉の声

で有名な山寺・立石寺でもキーホルダーを買ってしまったけれど、この天台宗の修行場は良心的だった。 全一色しかないからである。

以前、京都の臨済宗・龍安寺で『吾唯知足キーホルダー』を買ったときは、全三色あったため、収集欲を刺戟されたボクは三色すべて買わされた。 商魂たくましい禅寺・龍安寺の坊主が坐禅によって得た知恵なのだろうか。

それに比べて、東北の寺は修行道場の風情を残す気概があって、観光地化された現在でも、えげつないことをしない主義なのかもしれない。

その姿勢は、実によろしい。

松島 五大堂

芭蕉は松島で句を残さなかった。
代わりに弟子の曽良に詠ませる。

松島や 鶴に身をかれ ほとゝぎす

けっこう、セコい。

図:布施仁悟(著作権フリー)


で、最終日に松島に降り立ったとき。<<願いが一つ叶った…>>と思った。

「35歳で自分が自由に活躍できるフィールドを見つける」

というのが、かつて25歳で会社を辞めた頃に抱いていた目標で、それが一段落したら日本三景を観て廻るつもりでいたのを思い出したのだ。

そうして40歳。気づいたら日本三景の一つ松島にボクは来ていたのである。

そもそも今回の旅行は周りから持ち上がってきた企画だったこともあり、<<もしかしたら、この旅行は30代のクスブリから抜けたご褒美かも>>なんて、都合の良いことを考えつつ、ほくそ笑みながら最終行程の塩釜神社に参拝した。

そこで面白い看板を見つけて興奮した話を書こう。 境内にある看板に表示されていた『八方塞(ふさ)がり』のお話である。

赤雲水

八方塞がりを読み解く

黒雲水

塩釜神社では厄年に類するものとされている『八方塞がり』であるけれど、それはボクの疑問を解決してくれるもので、興奮して「凄い!」と連発していたら、ツアーの添乗員さんに「何が凄いの?」と訊かれ、答えに窮した。

この『八方塞がり』が“凄い”理由にはこういう経緯がある。

ボクの住居の周辺に辻説法を挑んでくる青年宣教師集団がいて、そもさん「聖書を知ってるか?」とくるから、せっぱ「君らの読み方は甘いぜ」とめたくそに説き伏せて後、決まって「ところで、おいくつですか?」と訊き、「その若さで聖書を読むのはまだ無理だよ」となぐさめることにしている。

そのとき、話の流れで星まわりの科学を説くこともあるのだけれど、その話に興味を持つ人たちの年齢が『八方塞がり』と一致していたのだ。 彼らは八方塞がりの運命に呼応して聖書に救いを求めていたらしい。

八方塞がり:10・19・28・37・46・55・64・73・82・91歳の九年周期

これを42歳の大厄で前・後期に分割してみると一層おもしろくなる。

前期八方塞がり:10・19・28・37
後期八方塞がり:46・55・64・73・82

42歳の大厄から文字通り「八方塞がり」の運命にみまわれる人は、前期八方塞がりの各年齢については「何もなかった、順調だった」と言い、後期八方塞がりの各年齢において「ああ、とにかく酷かった」と答える。

逆に、42歳の大厄から文字通り「八方拡がり」の運命になる人は、前期八方塞がりの各年齢については「ああ、とにかく酷かった」と言い、後期八方塞がりの各年齢において「好機の前の逆境だった」と答える。

どういうことかと云うと、世間の常識に従うことで順調だと感じる一般人は、実は自分の人生を“八方塞がり”にする出来事に会っても順調とみなすため、年齢を重ねるごとに身動きがとれなくなり、先細りの運勢となっていくのだ。

その一方で、一般人とは逆の発想をする人もいて、彼らは「八方塞がり」で上手に方向転換をするから、年齢を重ねるごとに運勢が良くなっていく。

とはいえ、この八方塞がりのカラクリを一般の人に説明するのは難しい。

「あなたの人生は、もはや八方塞がりですね、ふふふ」

なんて意味にとられないとも限らないのだから。

そこで「これはみな人生の転機なんですよ」とボクが興奮ぎみに答えると、

「ふうん、そうなのお…」

添乗員さんが困ったように呟いたので、ボクも困ってしまった。

(2014.6)


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