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【第6話】できない受験生の誕生

できない受験生の誕生

できる受験生できない受験生

のちにできない受験生となる男の子は、がっかりされないための盲目的な努力を続け混乱を深めてゆくことになります。


社会で生きてゆくためのルール

のちにできない受験生となる男の子は、 誰かのきまぐれな愛情に振り回されるようになる頃から、 社会で生きてゆくためのルールを学び始めます。 それは、「がっかりされないためにはどうしたらよいか?」 というルールです。

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おりこうさんになる方法

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ここで男の子が学び始める社会で生きてゆくためのルールとは、 「おりこうさん」となるように体裁を取り繕う方法にほかなりません。

例えば、 箸の上げ下ろしまでいちいちうるさい父親から、 「箸は右手で持つもんだ!」と言われれば箸を右手で持つように訓練します。
お椀をひっくり返すと怒られるので、びくびくしながらも、 つまらない食卓で黙々とご飯を食べます。
あまり面識のないおじいちゃんとおばあちゃんに対しては、 ビデオカメラの前で「お元気ですか?ボクは元気です!」と母親に入れ知恵されたセリフを語り、 不自然な作り笑いをすることも憶えます。
肌荒れとデブ症で悩んでいる不機嫌な母親から「あなたが心配ばかりかけるからよ。」 と言われれば、「そうかも知れない」と本気で受け取って、 「おりこうさん」になるために家事のお手伝いをして体裁を取り繕います。

こうして、「がっかり」されないためのルールを憶えコレクションしてゆくのです。 言い換えれば、男の子にとっての社会で生きてゆくためのルールとは、 周囲の期待や要求を裏切ることに対する不安や焦りを鎮めるためのルールとも言えます。

世の中はおりこうさん天国

少し考えてみると、世の中は「おりこうさん」になりたい人達でいっぱいの 「おりこうさん天国」だと気づきます。

例えば、『人に好かれる話し方』『いまさら聞けないマナーブック』などの本は、 いつの時代のどの本屋にでも置いてあります。

ところが、よく考えてみれば、 「お葬式の香典の相場は?」なんてことは、どうでもいいことなのです。 なぜなら、集まった香典の金額に応じて故人が成仏するわけではないからです。 また、「お中元やお歳暮はいつごろ誰に何を贈るべきか?」なんてこともどうでもいいのです。 なぜなら、社交生活の趣旨は、相互の実意を通い合わせることですから、 役立つものやおいしいものを見つけた時に、贈りたい相手のことを想って贈ればよいのです。 それを相手がどう受け取ろうと相手の勝手なのです。 そもそも、誰からも好かれることは不可能だし、その必要もありません。

こう考えてみると、本屋に置いてある本のタイトルに、いかに騙されているかがわかります。 上に挙げた本のタイトルは、こう書き換えるの適切でしょう。
『人に好かれる話し方』→『自分を犠牲にして誰かに取り入る話し方』
『いまさら聞けないマナーブック』→『いまさら聞いてもしょうがない偏見のコレクションブック』

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「おりこうさん」な「おばかさん」

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ところで、なぜ世の中は「おりこうさん天国」なのでしょうか?

それは、世の中のほとんどの人が「自分に自信がない」からです。 「おりこうさん」になろうとすることは、 自分を信じられないために、存在価値の裏づけを他の誰かに求めることにすぎません。 つまり、自分を肯定してくれそうな誰かの意見を盲目的に信じるだけの 「おばかさん」に成り果てるということです。

ところが、世間の人達は、どこかに欠点を見つけ出して否定することには 天才的な能力を発揮するものです。 そのため、自分の全てが肯定されることは、この世界ではありえないはずなのです。

それでも、「おばかさん」に成り果てると、 あの考え方、この考え方、あの人、この人と渡り歩いては、 自分の全てが肯定される居場所がどこかにあるはずだと、一生をかけて探し続けるようになるのです。 これは、男の子がとった「おりこうさんになる作戦」を 誰もが成人しても続けているということでもあります。

飼い慣らしの仕組み

このような、誰もが自分を信じられない「おりこうさん天国」では、 相手に対する理不尽な期待や要求によって、相手の自分に対する信頼を確かめようとします。 しかも、その時、周囲の期待や要求を裏切りたくないという感情を巧みに利用し、 劣等感や嫉妬心を植えつけようとするのです。

例えば、
父親が仕事のうまくいかない理由を「学歴や資格の欠如」に求めている場合、 男の子に対して「高学歴」や「一流資格」の取得を要求します。
男の子は、「高学歴」や「一流資格」の取得を目指すことで父親に対する愛情を表現し、 父親は、男の子に「おりこうさん」のレッテルを貼ることで愛情を表現します。
これは、父親は、自身の劣等感の克服を次の世代に丸投げし、 男の子は、その理不尽な期待を自分自身のコンプレックスとして受け取ることにほかなりません。

この時、
母親は「がっかり」した顔をしながら「誰々ちゃんはできるのに、あなたはどうしてできないの?」 と男の子に発破をかけ、 男の子は、「おりこうさん」と言ってもらうために、誰々ちゃんを勝手にライバルに見立てて発奮します。
これは、母親は、自分の嫉妬心のハケ口として、 男の子の劣等感をくすぐり、 男の子は、劣等感を煽られ自信を失くすだけではなく、 母親の嫉妬心までも自分のものとして吸収していることにほかなりません。

このように、心に欠陥を抱えた両親や周囲の人々が、男の子に 劣等感や嫉妬心などの自分の心の欠陥を植えつける仕組みは実に巧妙です。 しかも、相手の期待や要求を裏切りたくないという感情につけいるのですから、 非常に性質が悪いとも言えます。

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劣等感や嫉妬心の増幅

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こうして、男の子が、他人のコンプレックスを自分のものとして背負い込み、 トラウマを抱える度に、心の中に劣等感や嫉妬心を植えつけられることになります。 そればかりか、自らも劣等感や嫉妬心を大切に育て始めるのです。

例えば、受験に失敗したりすると、嫌でも不安感や焦燥感が刺激され 心の動揺をおぼえます。 なぜなら、失敗やミスは、 周囲の期待や要求を裏切ることに対する不安や焦りを刺激するからです。 そこで、心の動揺を鎮めるために、すでに無意識的に学習してきた方法。 つまり、両親や周囲の人々の用いている方法を応用することを思いつきます。 それは、周囲の期待や要求を裏切ることに対する不安や焦りを鎮めるために、 劣等感や嫉妬心を自分の心に植えつける方法です。

例えば、「近所の誰々ちゃんに学力で勝てない時」は、その事実を認め「誰々ちゃん」を賞賛する替わりに、 事実を否定するかのように「ピアノで鼻を明かしてやろう」と考えて嫉妬心を増幅させたり、 「大学受験に失敗して高学歴の取得に失敗した時」は、その事実を認め与えられた環境で満足する替わりに、 事実を否定するかのように「難関資格の取得でそれを補おう」と考えて劣等感を増幅させる方法です。

つまり、男の子は、 周囲の期待や要求を裏切りたくないという感情を満足させるために、 新たに劣等感や嫉妬心を心に植えつけるという代償を払い始めます

できない受験生の誕生

もちろん、この解決方法には問題があります。 なぜなら、失敗やミスを犯す自分の存在を否定していることでもあるからです。

一般的に、劣等感や嫉妬心を心に植えつけると、時々、 虚勢を張ったり、逃げ出したり、誰かに責任転嫁するような行動を示すようになります。 これは、失敗やミスを犯す自分の存在を露呈することを恐れるようになるからです。

劣等感や嫉妬心は、 失敗やミスを犯す自分の存在を認めたくないために、 その代償として心の中に植えつけてきた感情です。 そこで、劣等感や嫉妬心を心に植えつける頃から、 認めたくない自分と現状の自分の一致に動揺をおぼえるようになるのです。

ところが、思うように目標を達成できない時は、 失敗やミスを犯す自分の存在を露呈せざるを得なくなります。 それまでは、失敗やミスを犯す自分の存在を否定する方法で、 自信を回復できると確信していたところ、 失敗やミスを犯す自分の存在を露呈せざるを得ない状況下では、 その方法論が通用しないため、急速に自信を失ってしまうのです。

そこで、努力が思うように実らず、努力と自信が反比例し始めると、 例えば、「準備不足に違いない」「どうせできっこない」 「どうせなら受けたくない」「落ちたらどうしよう」 「それでもやらなければならない」という不安や焦りを常に抱えるようになるのです。

そのうち、いつの間にか男の子も『不安でたまらない症候群』という伝染病の感染者となるのです。 この伝染病に感染することにより、脳の記憶力を日々刻々と機能不全にし、スカスカな脳を持つ、 できない受験生が立派に誕生することになります。

さらに、問題はこればかりではありません。 なぜなら、できない受験生の感染する『不安でたまらない症候群』の患者の多くは、 間もなく始めることになる妄信的努力により自分自身を狂わせてゆくからです。

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