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【日々是煩悩 15】布施仁悟とボク

日々是煩悩 布施仁悟とボク

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お名前は?フルネームで


四二歳前後の身体の変調現象

先月、血管拡張性肉芽腫とやらで切除手術をした。 この手術は29歳のときに一度やっているから今回は42歳にして2度目となった。

「君、これが初めてか?」

29歳当時、手術を担当した医師は力なくうなずくボクにこう言った。

「一度やったやつはその後何度かやる」

まるで予言だった。 それも不吉な予言だ。 「おまえは占い師か」とか「頼んでもいないのに余計なことを言うな」などと思ったのけれど、ヤブ医者に催眠術でもかけられたかのように、ボクは言葉を失った。

とにかく29歳というのは、ほかにもアキレス腱を切ったり、歯が折れたりと大変な一年になったから、それからは不健康を反省してよく運動するようにしてきた。 血管拡張性肉芽腫(けっかんかくちょうせいにくげしゅ)をやらかしたのも、不健康な生活のせいで免疫力が低下したり、ホルモンバランスが崩れたからだと思ってきたのに、ここにきてヤブ医者の予言的中となると、42歳にして早くも“老化”を実感してしまう。 昨年参加した高校の同窓会では「訃報もけっこう届いている」と幹事が語っていたし、いよいよボクもそういう年齢域に達したらしい。

それはわかっちゃいるけれど、やはり「それはないぜ」と思ってしまう。 たしか小さい頃は「平凡な学校教師にでもなって歴史を教えたい」などと思っていたはずなのに、大学に入ったらどういうわけかギターを抱えて創造性を探求するようになり、30代に入ってからは文章修行のかたわら坐禅修行なんかはじめちゃって、で、いよいよこれからという40代になると体がついてこなくなった…てなことになると「いったい自分は何をやってきたのか」とか「こんなことなら平凡な教師にでもなっていたほうがよっぽどマシだったじゃないか」などと意気消沈せざるをえない。 先月はそんな、なんともいえない行きづまり感を味わっていた。 これはまさか42歳後厄の呪いではあるまいな。

田口ランディの『人生二十九歳変動説』〜四二歳前後の身体の変調〜


二九歳の転機というのは、その人の天職というものと非常に深く関わっている。 二九歳で、自分の価値観や、携わっている行為に対して疑問を持ち、そして疑問を解決すべく行動した人はその後、三二歳の時に別の転機と遭遇するのだ。 で、この三二歳の時の転機が、自分の天職を決めていく。 その後、三五歳、三八歳と順調に自分の人生の意味を見いだし、四二歳前後で迷いが出る。

この四十歳代の迷いというのは、身体の変調という形で表出したり、もしくは女性(あるいは男性)に恋をしてしまう……というような形で現れたり、それまで全く興味のなかったものに狂ったように魅かれたりするのだが、とにかく心と身体が動揺し、その経験によって、本当に自分が望んでいる生き方とはどんなものかを再確認し、それが完了すると五十歳から「奉仕」というものを仕事の中心に据えて生き始めるようなのである。

田口ランディ『馬鹿な男ほど愛おしい』P.150-151「人生二九歳変動説」


田口ランディさんの『人生二十九歳変動説』によると、四二歳前後には身体の変調現象があるらしいのだけれど、今回の血管拡張性肉芽腫もそれであってもらいたいものだ。

かりに病気や怪我にも何らかの意味があるなら、その意味さえわかれば、それ以降は同じ憂き目をみずに済むはずである。 たとえば29歳の時にやった怪我の数々は、その意味をこんな風に解釈できるかもしれない。

○アキレス腱を切った
→29歳になっても今までと同じことをやっていたら歩けなくなるぞ

○歯が折れた
→29歳になっても今までと同じことをやっているから歯が立たないんだよ

○血管拡張性肉芽腫で足の親指の爪をはがす手術をした
→悪い芽を摘み取るときはすげえ痛みを伴うものだ

29歳のときは、こういうジョークみたいな怪我の意味なんか考えもしなかったから、ひたすら悩んでいただけだったけれど、こういうことは人生に何度もあってもらっては困る。 けれども、今回の四二歳前後の身体の変調現象を修了すれば、いよいよ次の運命の課題がみえてくるのかもしれない。 おそらく、ここが踏ん張りどころなのだ。

矢印マーク 『馬鹿な男ほど愛おしい』

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赤雲水

俗世の名前

黒雲水

で、今日はこれから病院に行く。

先月2017年1月に手術した血管拡張性肉芽腫(けっかんかくちょうせいにくげしゅ)事件もこれで一件落着となるはずだ。 担当してくれたのはかわいい女医さんなのだけれど、この人はちょっとしたキーパーソンだったらしい。 これから診察をはじめようとするとき彼女はこう訊いてきた。

「お名前は?」

すかさず姓を名乗ったボクに彼女は重ねて言った。

「フルネームで」

驚いたことにボクの口からは自分の名前がすぐには出てこなかった。 何かが胸の内で抵抗していて、どういうわけか「いきなり何を言い出すんだ、この人は」くらいの憤りすら感じてしまった。 ボクはボロ雑巾を喉の奥に詰め込まれてるみたいに声を絞り出しながら、やっとのことで自分のフルネームを答えたのである。

なんだか長年忘れていた名前をようやく思い出した気分だった。 27-33歳に起こったアイデンティティ・クライシスで自分が誰なのかわからなくなって以来、ずっと忘れていた名前をそのとき思い出したのかもしれない。 変な話だけれど。

いまやボクの俗世の名前は33歳のぷっつん体験以前とはまったく違った意味を帯びている。 それはもう自分のアイデンティティの象徴ではなく、役者にとっての演劇の役名みたいに取り替えのきくものとなっているのだ。 運命の試練の過程には、そういう境地に達するまで“神隠し”に遭い、俗世の名前を奪われることがあるらしい。

33歳のぷっつん体験の翌年の34歳のときに“布施仁悟”は誕生した。 それはホームページ『肴はとくにこだわらず』を作成して、このブログが誕生したときのことだ。 そして今日、布施仁悟が誕生する以前の俗世の名前を病院で取り戻してくる。 きっと、もうしばらくしたら“布施仁悟”ともお別れの季節がやってくるのだろう。

雨の日には布施仁悟が文章を書いてきた。晴れの日にはボク自身が書く。

今日、ボクは自分の俗世の名前を取り戻してくる。

(2017.2.21)


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